市場は拡大しているのに、なぜ半数の事業者が苦しいのか
日本のフィットネス市場は、コロナ禍で2020年に5,248億円まで落ち込んだ後、V字回復を続け、2026年度には過去最高だった7,000億円水準への到達が見込まれています。一見、業界全体が恩恵を受けているように映りますが、実態はそう単純ではありません。2022年度の損益が判明した約70社中、増益は約42%にとどまり、赤字・減益となった事業者が合計で5割を占めています。市場の拡大と個別事業者の苦境が同時に起きているという、構造的な矛盾がここにあります。
その背景を読み解くと、今まさにパーソナルジム経営者が押さえるべき動きが見えてきます。
二極化が加速している——「中間」に立ち続けることが最大のリスク
フィットネス市場では、「放置型の低価格モデル」と「サポート付きの高価格モデル」という二極化が明確に進んでいます。DX化による低コスト運営が可能になったことで低価格モデルのサービスが急増し、顧客層が「安さ重視」と「サポート重視」に分かれました。
この構造において、パーソナルジムが取るべきポジションは明確です。低価格・無人の24時間ジムとの価格競争に巻き込まれることなく、「専門性のある個別指導」という高価格・高サポート側に徹底的に特化することが、独立トレーナーにとっての生存戦略です。問題は、そのポジションを取りながら運営コストをどれだけ下げられるかという一点に絞られます。
成長する2つの市場セグメント——女性と60代以上を見逃すな
女性フィットネス市場は2024年時点で303.8億円規模にあり、年6〜8%の成長が予測されています。また、60代女性の利用率は9.6%と高水準で推移しており、医療費削減を狙う自治体の補助金拡充によって、シニア市場の拡大も見込まれています。
2026年度の介護報酬改定において介護予防への民間移行が本格化することが見込まれており、60代以上の層がフィットネス施設を利用する経路として、医療・介護制度を通じた正規ルートが確立されつつあります。これは、パーソナルジムが「健康維持・介護予防」という文脈で高齢者をターゲットにした場合、自治体との連携や公的補助金の活用可能性が今後広がることを意味します。現在、女性・シニア向けのコンセプトに特化したジムが少ない地域ほど、先行参入の余地があると言えます。
AIとDX——「使う側」か「使われる側」かで差がつく
世界のAIパーソナルトレーナー市場は2024年の144.8億ドルから2030年に295億ドル規模へと急成長が予測されており、日本でも低価格AIトレーニング指導サービスの普及が始まっています。
ただし、ここで重要なのは「AIが人間のトレーナーを代替する」という単純な話ではないということです。個別指導の質・信頼関係・動作修正のリアルタイム対応はAIには代替できない価値であり、パーソナルトレーナーの本質的な強みはそこにあります。むしろAIやDXが本領を発揮すべきは、予約管理・月謝の自動引き落とし・会員情報の管理といったバックオフィス業務の領域です。指導以外の事務作業に週10時間以上費やしているトレーナーは、その時間を丸ごと回収できる余地があります。
AIやDX化といった最新技術を導入した新しいスタイルの低コスト運営が、今後のフィットネス業界で求められていくと見られています。先進的な経営者が既にDX投資を進める中、対応が遅れれば遅れるほど、集客・継続率・コスト構造の面で差が広がっていきます。
dotnow:フィットネス事業者向けの運営管理システム
dotnow(ドットナウ)は、パーソナルジム・フィットネス事業者向けに設計された予約・会員・決済管理システムです。初期費用・月額費用0円のFreeプランから利用でき、月謝の自動引き落とし・回数券管理・予約管理がすべて標準機能として揃っています。LINE連携・スマートロック連携も予定しており、ひとりで運営するトレーナーが事務作業から解放され、指導に集中できる環境を整えることを目指しています。2026年6月リリース予定です。

