取材を通して感じた、パーソナルトレーナーという仕事の本質

取材を終えるたびに、不思議な気持ちになります。

dotnow mediaでは、パーソナルトレーナーとして独立した方々にお話を聞く機会をいただいてきました。キャリアも環境もそれぞれ違う方々ですが、取材を重ねるうちに、ある共通点に気づきました。

みなさん、とても輝いているのです。

「輝いている」というと抽象的に聞こえるかもしれませんが、もう少し言葉にすると、自分のことを誇らしく思っている、という感じに近いと思います。話し方に自信がある。目線がまっすぐ。「自分はこれをやっている」という揺るぎない感覚が、言葉の端々からにじみ出てくる。

最初はそれを「独立した人特有のたくましさ」だと思っていました。事業を始めた人間が持つ、覚悟から来るもの。でも取材を重ねるうちに、少し違うのかもしれないと感じ始めました。

体を変えた経験が、人を変える

トレーナーの方々に「なぜ独立しようと思ったんですか」と聞くと、ビジネスの話が最初に来ることは、実はあまりありません。

多くの方が話してくれるのは、自分自身がトレーニングで変わった体験です。「学生時代に自分に自信がなかった」「社会人になってから体が崩れて、精神的にもしんどかった」「筋トレを始めて、初めて自分のことを好きになれた」。そういう話をするとき、トレーナーの方々の表情は一様に柔らかくなります。

体を鍛えることは、体だけを鍛えることではないのだ、と気づかされます。

筋肉がついて体型が変わるのは、目に見える変化です。でもそれと同時に、「自分はやればできる」という内側の確信が育っていく。毎週少しずつ重いバーベルを上げられるようになる。昨日できなかった動作が今日できるようになる。その積み重ねが、じわじわと自己効力感を育て、自分自身への信頼に変わっていく。

トレーニングには、そういう力があります。

そしてその力を自分の内側で感じたとき、「これを他の人にも届けたい」という気持ちが湧いてくる。独立という選択は、多くのトレーナーにとってビジネスの判断である前に、ある種の使命感から来ているのではないかと、取材を通して感じています。

RIZAPが開いた扉の向こうにあるもの

パーソナルトレーニングがこれほど広まったのは、RIZAPという存在が「結果にコミットする」という言葉とともに市場を切り開いたからです。それまで一部の富裕層やアスリートのものだったマンツーマン指導が、一般の人にも届くようになった。その功績は大きい。

ただ、取材を重ねて感じるのは、この産業の本当の価値はビジネスモデルの革新よりも深いところにある、ということです。

パーソナルトレーナーは、体を変えるプロです。でも同時に、人が自分自身を信じられるようになるプロセスに伴走する仕事でもあります。「できた」という体験を積み重ねる場所を提供し、「あなたはできる」と言い続ける存在でもある。

この仕事に就いている人たちが輝いて見えるのは、そういう仕事を毎日しているからなのかもしれない、と思います。誰かの変化を間近で見続けることは、それ自体が人を強くするのではないかと。

もし、トレーニングが当たり前の社会になったら

取材をしていて、ふと考えることがあります。もしパーソナルトレーニングが今より多くの人に届くようになったら、社会はどう変わるだろうか、と。

体が動く。自分に自信が持てる。自分のことを誇らしく思える。そういう感覚を持った人が増えたとき、社会の雰囲気はどう変わるだろう。少し想像するだけで、なんだか平和な景色が浮かびます。

大げさに聞こえるかもしれませんが、でもそれは決して荒唐無稽な話ではないと思っています。自分に自信を持てない人が、他者に優しくなれるかというと、難しいことが多い。逆に、自分のことをある程度肯定できている人は、他者にも穏やかに接することができる。体を鍛えることがもたらす内側の変化は、その人の人間関係や日常の質にまで波及します。

フィットネスは、心身の健康だけでなく、社会全体の豊かさにつながっているのかもしれない。取材を重ねるたびに、そう感じるようになっています。

私たちができることは、小さいけれど

dotnow mediaは、パーソナルトレーナーとして独立した方、これから独立を考えている方に向けて情報を届けています。dotnowというサービスは、独立するトレーナーが事務作業に追われず、指導に集中できる時間を作るために設計されています。

それは決して大きな貢献ではないかもしれません。でも、一人のトレーナーが事務作業に使っていた時間を取り戻し、その時間を一人の会員との対話や指導に使えるようになるなら、その先にある誰かの人生が少し変わるかもしれない。そういう連鎖の中に、私たちも小さく存在していたいと思っています。

取材でお会いするトレーナーの方々が、これからも自分の仕事を誇らしく続けられるように。そしてその仕事が、より多くの人に届くように。

編集部として、そんな気持ちで記事を書き続けています。


dotnow media 編集部

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