HYROXに出てみたい、大会に向けて本格的に練習したいと考えたとき、最初にぶつかるのが「どこで練習できるのか」「いくらかかるのか」という問題です。2027年1月の大阪大会までは約16週間、4月の名古屋大会までは約6カ月あります。12週間の準備期間から逆算すると、大阪大会を目指す人は10月中に練習場所を決める必要があります。本記事では2026年9月時点の公開情報をもとに、練習できる施設のタイプ、トレーニング内容、料金を整理し、大会までにかかる総額の目安を試算します。料金・プランは変更される場合があるため、来店前に必ず各施設の公式サイトで最新情報を確認してください。
HYROXの練習場所探しは、実質「3種目の器具探し」です
HYROXは1kmのランニングと8種目のワークアウトを交互に8回繰り返すフィットネスレースです。8種目はスキーエルゴ1,000m、スレッドプッシュ50m、スレッドプル50m、バーピーブロードジャンプ80m、ローイング1,000m、ファーマーズキャリー200m、サンドバッグランジ100m、ウォールボール100回の順で行います。16歳以上であれば誰でも出場でき、個人のシングル、2人で分担するダブルス、4人のリレーがあります。重量は標準のOpenと重いProから選べます。参加費はカテゴリによって異なりますが、おおむね2万円前後です。
練習場所を選ぶうえで押さえておきたいのは、8種目のすべてが特別な設備を必要とするわけではない点です。スキーエルゴとローイングはConcept2のマシンがあれば再現でき、ファーマーズキャリーはダンベルやケトルベルで代用できます。バーピーブロードジャンプは床があれば成立します。一般のジムで揃いにくいのは、スレッドプッシュとスレッドプル、ウォールボール、サンドバッグランジの3つです。スレッドには専用の直線スペースと床材が必要で、壁にボールを投げる運動を禁止している施設も少なくありません。

つまりHYROXの練習場所探しとは、この3種目をどこで練習するかを決めることです。残りの種目とランは、普段通っているジムや屋外で十分に積み上げられます。
参考:
- [INSPA横浜「HYROX(ハイロックス) Training Club」]https://www.inspa.jp/hyrox/
- [FITNESS LOVE「HYROX(ハイロックス)大会スケジュール・参加方法」]https://www.fitnesslove.net/fitnesscategory/hyrox/147516/
- [ROX GUIDE「HYROX8種目を全部練習できるジム|確認できた5施設」]https://roxguide.com/gyms/hyrox-full-8-station-gyms-japan/
練習できる施設は5タイプ、料金と中身はこう違う
全国の施設を整理すると、HYROXの練習ができる場所は大きく5つのタイプに分かれます。
①公式認定ジムのグループクラス
代表例はオレンジセオリーフィットネスで、関東13店舗と愛知2店舗の計15店舗がHYROXの公式認定を受けています。コーチ付きのクラス形式で、トレッドミル、ローイング、サンドバッグ、ウォールボールを中心にプログラムが組まれています。月額は16,500円から18,700円程度で、浦和スタジオの例では都度利用が4,400円、HYROXクラスの体験が4,400円(入会時に返金)と案内されています。スレッドやスキーエルゴの有無は店舗ごとに異なるため、事前の確認が必要です。フォームから習いたい初心者が最初に入る場所として向いています。
②受け放題型のセミパーソナル
ジムフィールドは梅田、堺東、東大阪、豊中、立川、所沢、横浜白楽の7スタジオでHYROX365対応のプログラムを提供しています。HYROX BEGINNER、HYROX RUN、HYROX POWER、HYROX COMPLETEといったレベル別のクラスが受け放題になる仕組みです。標準の料金は入会金13,200円、月額16,500円、ビジター4,400円、体験レッスン2,200円です。ただし店舗差があり、立川は入会金11,000円・月額14,500円、梅田は受け放題22,000円と月4回16,500円の2プラン、2026年9月25日に開業した所沢は月額22,000円と報告されています。週に何度も通って回数で上達したい人に向いたタイプです。
③8種目すべてを1カ所で練習できるトレーニングクラブ
2026年9月時点で、8種目の器具と場所が1施設に揃っていると公開情報から確認できたのは5施設です。
INSPA横浜(横浜市神奈川区)はHYROX Training Clubで、天然温泉スパを併設しているのが特徴です。月会費はHYROX4が16,500円、HYROX8が22,000円、フィットネスとスパを使い放題にできるHYROXプラチナが31,900円です(いずれも永久割引適用後の税込額)。体験と都度利用の枠も用意されています。
JGFS(東京都品川区・五反田)はHYROX Training Clubで、本番規格の5mスレッドトラックを備え、ウォールボールは4kg・6kg・9kg、サンドバッグは10kg・20kg・30kgと重量帯が揃っています。最大4名の少人数クラスで、初回体験は3,300円(通常4,400円)、体験当日に入会すると入会金5,500円が無料になります。月額プランは月4回制で、追加は回数券で対応する形です。
SKY ATHLETICS 神戸生田川店は人工芝の屋外スタジアムを持ち、屋内では取りにくい距離を使えます。グループセッションは最大6名で、ドロップインと回数券が用意されています。屋外エリアに空調はないため、夏と冬は時間帯を選ぶ必要があります。
ハイアルチ下北沢は標高2,500m相当の低酸素環境で8種目に取り組める施設です。低酸素環境でのトレーニング効果には個人差があり、体調や既往症に不安がある人は事前に医師など専門家へ相談してください。
SureGym君津店(千葉県君津市)は2026年10月開業予定で、157坪の24時間営業、駐車場約20台という規模です。プレスリリースでは通常のビジター利用料を2,980円(税別)と案内していますが、会員料金は公式発表を確認してください。
④クロスフィットボックス
CrossFit系のボックスでもHYROXクラスを開いている施設が増えています。料金は都度利用が4,000円から4,950円、月4回で10,000円から13,500円、通い放題で24,200円から33,000円程度です。クロスフィット岡山のようにドロップイン1,440円から3,600円という施設もあります。高強度で追い込みたい経験者に向いていますが、スレッドや人工芝レーンの有無はボックスごとに大きく異なります。
⑤単発の練習会
施設に入会せずに試す入口としては、レッドブルが主催する「Red Bull Road to HYROX」があります。千葉大会に向けて札幌、仙台、東京、名古屋、神戸、久留米の提携ジムでセッションが開かれ、参加料は1セッション3,000円、定員は10名から18名でした(2026年5月時点の情報)。
ここまでの料金を並べると、都度利用は1回1,440円から4,950円、月会費制は月額6,600円から24,200円の範囲に収まっています。東京に絞ると、都度4,000円から5,000円前後、月額15,000円から30,000円前後が相場感です。そのなかで、都度4,400円と月額16,500円という2つの価格が複数の施設で重なっています。これが現在のHYROXトレーニング市場の実質的な基準線です。
参考:
- [ROX GUIDE「HYROX(ハイロックス)ジムおすすめ|認定・対応施設を目的別に比較」]https://roxguide.com/gyms/hyrox-gyms-japan-map/
- [ジムフィールド「HYROX(ハイロックス)トレーニングクラブ」]https://gym-field-htc.com/
- [JGFS「東京のHYROXジム一覧【2026年版】」]https://jgfs.jp/hyrox-tokyo-gym-list/
- [INSPA横浜「HYROX(ハイロックス) Training Club」]https://www.inspa.jp/hyrox/
- [ROX GUIDE「HYROX8種目を全部練習できるジム|確認できた5施設」]https://roxguide.com/gyms/hyrox-full-8-station-gyms-japan/
- [FIT Trading株式会社「日本最大のHYROX Training Clubが千葉県君津市に誕生」]https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000048337.html
- [Red Bull「Red Bull Road to HYROX」]https://www.redbull.com/jp-ja/events/red-bull-road-to-hyrox
地域で見ると、空白は東海・北海道・東北・九州
8種目すべてに対応した施設は、東京、神奈川、兵庫に集中しています。10月に千葉が加わりますが、東海、北海道、東北、九州では確認されていません。
2027年4月に初開催を控える名古屋では、公式認定一覧に載っているのはオレンジセオリーの池下・八事の2店舗で、HYROXクラスを明示するクロスフィットボックスとしてクロスフィット疾風があります。札幌と仙台では、公式認定を一次情報で確認できた施設はまだありません。福岡にも公式認定施設はない状況です。
こうした地域に住む人は、普段のジムでランとマシン種目を積み上げ、月に1回から2回だけ都市部のフル対応施設でスレッド、ウォールボール、サンドバッグを確認する形が現実的です。大会の2カ月から3カ月前になると予約が取りにくくなるため、体験は早めに済ませておくことをおすすめします。
参考:
- [ROX GUIDE「HYROX(ハイロックス)ジムおすすめ|認定・対応施設を目的別に比較」]https://roxguide.com/gyms/hyrox-gyms-japan-map/
- [ROX GUIDE「HYROX8種目を全部練習できるジム|確認できた5施設」]https://roxguide.com/gyms/hyrox-full-8-station-gyms-japan/
大会までの総額は、通い方で4万円台から8万円台まで変わる
大阪大会に向けて12週間(約3カ月)練習した場合の費用を、通い方別に試算します。参加費は約2万円で計算しています。
受け放題型に入会する場合は、入会金13,200円と月額16,500円の3カ月分で62,700円です。参加費を加えると約8万3,000円になります。
月4回制のプランを使う場合は、INSPA横浜のHYROX4を例にすると16,500円の3カ月分で49,500円です。参加費を加えると約7万円で、温泉スパも使えます。
普段のジムに通いながら、フル対応施設に月2回だけドロップインする場合は、4,400円の6回分で26,400円です。参加費を加えて約4万6,000円に、普段のジムの会費が加わります。
判断の目安は単純です。都度4,400円と月額16,500円を比べると、月4回以上通うなら月額制、月3回以下なら都度利用のほうが安くなります。初めての大会で完走を目指すなら、最初の1カ月を受け放題型や月額制で集中的に通ってフォームを固め、残り2カ月を都度利用に切り替える組み合わせも合理的です。
スケジュールも決まっています。大阪大会の12週間前は10月末、名古屋大会の12週間前は1月下旬です。体験の申し込みは、そこから2週間から4週間前倒しで動くのが安全です。
参考:
- [FITNESS LOVE「HYROX(ハイロックス)大会スケジュール・参加方法」]https://www.fitnesslove.net/fitnesscategory/hyrox/147516/
- [ジムフィールド「HYROX(ハイロックス)トレーニングクラブ」]https://gym-field-htc.com/
- [INSPA横浜「HYROX(ハイロックス) Training Club」]https://www.inspa.jp/hyrox/
料金表から見える、ジム経営者・独立トレーナーへの示唆
ここからは調査を踏まえたdotnow編集部の見解です。利用者向けに料金を並べてみると、運営側にとって3つの示唆が浮かびます。
①価格の基準線がすでにできている
都度4,400円、月額16,500円という価格が複数の施設で重なっているということは、利用者がこの数字を物差しにして比較を始めているということです。これからHYROXクラスを始める事業者は、この基準線より高くするなら設備(スレッドの有無、少人数制)で、安くするなら回数や時間帯の制限で、その差を説明できる必要があります。
②利用者は大会日程に合わせて料金プランを移動する
試算で見たとおり、合理的な利用者は「体験→月額で集中→都度に切り替え→大会後は回数制か退会」と、大会カレンダーに沿ってプランを渡り歩きます。実際に各施設は、体験、ビジター、回数券、月4回、受け放題、シミュレーション大会と、入口を何層にも並べています。大会後に退会されるか、次の大会に向けて残ってもらえるかは、プラン変更の手続きが面倒でないかどうかに左右されます。
③空白地帯は、全8種目でなくても埋められる
東海、北海道、東北、九州にはフル対応施設がありません。ただし前述のとおり、利用者が本当に困っているのはスレッド、ウォールボール、サンドバッグの3種目です。この3種目だけを本格的に揃え、月1回から2回のドロップイン需要を受け止めるだけでも、地域の練習拠点になれる余地があります。
体験・都度・月額が並走する運営を、最初から軽くしておく
HYROXの需要を受け止める施設ほど、料金の種類と予約枠が増えていきます。体験枠、ドロップイン、月4回の会員、受け放題の会員、大会前のシミュレーション練習会が同時に走ると、紙やLINEの管理では誰がどのプランで今月何回使ったのかが見えなくなります。 dotnow(ドットナウ)は、フィットネス事業者向けの予約・会員・決済管理システムです。月謝の自動引き落とし・会員管理・予約受付が初期費用・月額費用0円のFreeプランから利用できます(詳細:https://dotnow.jp)。大阪大会の12週間前にあたる10月末は目の前です。体験枠を開く準備を、システムの都合で遅らせる必要はありません。
